BLUE GIANT(ブルージャイアント)で心揺さぶられる
人はこれほどまでに熱狂し、没頭できるのか?
さっきまで会社で激アツにキングダムの話をしてました。その中で、「最近キングダム以外におすすめの漫画ありますか?」と聞かれたので、BLUE GIANT(ブルージャイアント)を圧倒的にレコメンドした。
知らない人向けに簡単に説明したら、
ジャズに打たれた若者が、ジャズに熱狂し、愛用のテナーサックスを手に世界一のジャズプレイヤーになるまで。
そんな漫画です。
じゃあ、何がいいのよ?って聞かれたらこう答えます。
普通の主人公が圧倒的な努力をし、疑いや迷いのない道を進む。人はなりたいものになる為にここまで没頭し、熱狂し、突き進むことができるのか?そう、この漫画からは圧倒的な熱量をもらうことができる。
ただ、時にこの漫画は残酷でもある。普通の主人公はいつしかその努力そのものが非凡になっていく。周囲の登場人物はその非凡さにあてられ、日々苦悩する。この主人公の横に立つなら、自分自身が凡庸な人物でも、同じかそれ以上の努力をしなければいけない。そうじゃないと諦めしかなくなる。
読んでる間、僕は宮本大にそんな現実という切っ先を突きつけられてる気分になる。横に立っていたいならやるしかない、と。
「毎日毎日自分で作るんだ」
やっぱりハイスタが好きです
16年ぶりの新譜発売「ANOTHER STARTING LINE」
10/8(土)@池袋タワーレコードにて撮影
ハイスタ狂想曲
Hi-STANDARD(ハイスタンダード:通称ハイスタ)の新譜がなんと16年ぶりに発売された。Twitterでいつも通りタイムラインを眺めていたら唐突にあふれるハイスタの話題。マジかー。
なんだかもうね、何が起こってるのかよくわからない。ただ、ひたすらにみんなハイスタハイスタ言ってる。よくよく見てみると、12月にもシングル出るし、ツアーもやるって言ってる。言ってる言ってるー(混乱
最初の遭遇から数時間、やっと落ち着きを取り戻したんだけど、そうなったら聴きたいよね。買いたいよね。でも、勤務先や通勤途中には主だったCDショップが無くて、プルプル震えつつも週末を待った。あえて新曲の動画も観なかった。んで、満を持しての今日10/8(土)に池袋のタワーレコードに買いに行きました。三連休なので土曜日発売のジャンプの電子版を読みきったあとに。
ハイスタという思い出
少しだけ昔を振り返ります。僕がまだバンドキッズだった時代、といっても20代前半にハイスタはシーンをひたすらに盛り上げてました。19年前の1997年。そのシーンの絶頂を象徴するようにAIR JAM'97は開催されます。この年はフジロックも富士山で開催され、いわゆる夏フェスの歴史が始まる年でした。
僕はバンドやってたくせに、あんまりライブには行かなかったんだよね。でも、このAIR JAMは行かねばならん、ホントそんな使命感にも似たものを感じて参戦することを決めました。前日まで三宅島に旅行に行っていて、ハードコンタクトレンズを無くし、だっさいメガネで参戦したのを思い出します。
んで、当日はお台場のなんかわからない広場でAIR JAMが開催されました。基本的には出演してたバンド全部聴いたことあるんだけど、ハイスタ以外では
- HUSKING BEE(通称:ハスキン)
- SUPER STUPID(通称:SS)
の2つがカッコ良かった覚えがある。シークレットのSLANGはこの時初めて観た。
トリのハイスタは言わずもがなで、メチャクチャにカッコ良かった。僕のハイスタ好きはこの時に確定した気がする。結構ミーハーなタイミングだよね。その後、活動休止前最後のAIR JAM2000、復活のAIR JAM2011と参戦し、ハイスタは合計三回観れました(ドヤ
AIR JAM2011参戦時の写真。ハイスタをスタンドから観てました。誇張無く身体が震え、泣いた。
昔はさ、伝説的なバンドを観たことがある人が語る「僕はその時代にリアルタイムで観たり聴いたりしてたからね」的な発言を聞くたびに、いいなーって思ったり、おっさんの自慢話なんて聞きたくないよ、って思ったりしてた。だって、僕がパンクに目覚めたとき、SEX PISTOLSはすでに無くなってたんだよ。音源と書籍でしか知ることができなかった。
でもね、そのおっさんの気持ちもわかるし、今のキッズと当時の僕とが違うのは、「またハイスタが聴ける」ってことなんですよ。しかも現在進行系の形で。これはホントに素晴らしいことだと思うんだよね。伝説じゃない、今を聴ける。まあ僕はどっちも聴けるので僕の方がすごいね(前述のおっさん発言
新譜「ANOTHER STARTING LINE」
さて、池袋のタワレコで売ってるというのはわかりつつも、行って売り切れだったら切ないので事前に電話しました。そしたら大量に入荷したので安心してくださいとの店員さんの声。CD買うのに事前に電話するなんて何年ぶりだろう。お店に行かないと買えないってのはこういうことなのか。ちょっと前に、マキシマム・ザ・ホルモンの「予襲復讐(よしゅうふくしゅう)」で配信無し・レンタル無しをうたってたけど、あのアルバムですら事前の告知はあったしなー。
- アーティスト:マキシマム ザ ホルモン
- 発売日: 2013/07/31
- メディア: CD
電車に乗って池袋に行き、池袋のP'PARCOまで歩き、エレベーターに乗り、5Fにあるタワレコに行ったら目の前に飛び込んでくる特設コーナー。「ああ、本当に新譜を出したんだ」と、ここで実感がわきました。このタワレコは、ハイスタ活動休止後にBBQ CHICKENSのファーストアルバムを購入した覚えがあります。
- アーティスト:BBQ CHICKENS
- 発売日: 2001/08/02
- メディア: CD
で、その特設コーナーが冒頭の写真です。雨降った直後だったからか、すごく空いててすぐに買えた。すぐに聴きたい気持ちを抑えつつコーヒー飲んでから帰路につきました。しかし、この16年で僕の家から無くなったものがあります。それはCDコンポです。なので、僕が新しいCDを聞くには
という4つの工程を経る必要があります。あー、大変。でも今さらコンポいらないしなー。これ考えると、やっぱりCD買うのって遠ざかるよね。
そしてやっと聴くことができた音。「かっけー!」そうなんです。カッコいいんです。やっぱりハイスタは最高にカッコいい。何がカッコいいかは聴け、聴くんだ。感じろ。
ハイスタは3人全員個人の活動もしてるし、それぞれのレベルも高い。特に健さんのBBQ CHICKENSもKen Yokoyamaも全部聴いてるけど、やっぱりハイスタでギター弾いて、コーラスやってるのが最高にかっこいい。難波さんの歌こそがハイスタだと思う。ツネさんがニコニコしながらドラム叩く姿が目に浮かぶ。やっぱり僕はハイスタが好きだ。間違いない。いつまでもロックスターに憧れるキッズの気持ちであり、一緒に歳を重ねてきた友人を見るようでもある。ANOTHER STARTING LINEはそんな気持ちになれるシングル4曲が入ってる。
目を閉じれは20代前半のあの頃を思い出し、目を開いてみれば年齢を重ねた等身大の自分がいる。ああ、これでまた今日から頑張れる。
10数年ぶりに引っ張り出したTシャツとANOTHER STARTING LINE
過去エントリ
10数年ぶりにバリカンを購入した
息子がいるお父さんの強い味方「バリカン」
お子さんがいるみなさん、散髪はお父さんの仕事ですか?お母さんの仕事ですか?ウチはお父さんの仕事です。髪は何を使って切ってますか?ハサミですか?バリカンですか?はい、ウチはバリカンです。厳密に言えば、美容師の友達からプレゼントされたプロ用のすきバサミも使ってます。
子供達の髪型は丸坊主にちょっと毛が生えた程度のデザインでカットしてるので、マジでバリカン便利。まあ、ウチの長男は友人たちから「どんぐり」と呼ばれてるらしいです。なので、どんな髪型なのかは推して知るべし。んで、おととい長男の髪を切り、今日次男の髪を切ろうと思ってたら、バリカンの調子が全然ダメ。充電式のバリカンなのに、ここ数年はコード付けて使ってたんだよね。だましだましにも程があるだろ、って状態でした。
ああ、いよいよ来たな、と。
満を持してバリカンを買いに行く
そもそも、このバリカンは僕が昔坊主頭にしてた頃、自分で刈る為に買ったものなので、かれこれ17年くらい使ってる。
俺と息子二人+当時友達の頭も刈ってた先代のバリカン。ちょっと計算してみたら、17年間で150回くらい稼働してます。購入時6,000円くらいだったと思うので、6,000÷150=40。この間、バリカン使用での一回の散髪代は40円ということになりました。
— 新田 良 Ryo Nitta (@2ten0) 2016年9月19日
相当に使いました。
家電量販店のバリカンコーナーなんて、普段全く見ないから、どれだけバリカン進化してるのかとワクワクしながら見に行きました。結論、特に進化してない。なんか中途半端にアタッチメント部分を調整しやすい風にしてる。正直蛇足感しかない。で、僕が購入したのはこれ。
昔ながら、って感じのバリカン。つーか、発売日2004年て。それがいまだに家電量販店の販売コーナーにあるって。ハードウェア的な進化何も無いのね。IoTでバリカン進化しないかな。IoTと3Dプリンタ的な技術を合わせて、普通に刈っていくだけでEXILE的な刈り込みになるとかそういうやつ。とはいえ、使用感超良かった。これはロングセラーになるね。子供が「美容院に行きたい」って言うまでは活躍してもらおうと思います。漫画喫茶を12時間満喫した
夏休み最後の1日は漫画を読む日
9/16(金)は3日間取得できる夏休み最後の日でした。ワイフも用事があり、息子たちは学校。これは以前から叶えてみたかった「朝から漫画喫茶」を叶えられる日だ!とテンションあげて実行しました。本当はちゃんと早起きして、8:30くらいから漫画喫茶に行こうと思ってたんだけど、寝坊して動き始めたのは9:00過ぎ。
とりあえず一駅隣の漫画喫茶に向かうことにしました。朝ご飯はすき家で食べた。
オクラが一つお皿の内側にくっついているあたりに何だか悲哀を感じます。
まずは前半6時間でこんな漫画を読みました
- ケンガンアシュラ 17巻
- 作者:サンドロビッチ・ヤバ子,だろめおん
- 発売日: 2016/09/09
- メディア: Kindle版
- ちはやふる 32巻
- 東京喰種 トーキョーグール re: 8巻
- ベルセルク 38巻
- ワンパンマン 11巻
- 善悪の屑 全巻
※Amazonで発売なし
読んでて気分のいい漫画ではないんだけど、漫画喫茶のレコメンドが強かったので手に取ってみました。なんかこういう漫画増えたよねー。悪人による悪人退治的な話。そして描写がエグいやつ。
- 外道の歌 1巻
- 嘘喰い 37巻から43巻
- のだめカンタービレ 1巻〜18巻
後半6時間で読んだ漫画はこちらです
10:30から16:30と、21:00から3:00と、1日で2回漫画喫茶に行きました。これで合計12時間です。ホント家族に感謝ですね。ちょっとした夢が叶いました。
さて、後半戦はのだめカンタービレの続きから。
- のだめカンタービレ 19巻〜25巻
- 重版出来 8巻まで
- ドンケツ 18巻まで
- 進撃の巨人 20巻
- BLUE GIANT 9巻
BLUE GIANT (9) (ビッグコミックススペシャル)
- 作者:石塚 真一
- 発売日: 2016/09/09
- メディア: コミック
そして崩れる生活リズム
3:00まで漫画喫茶にいて、9:00過ぎに起きました。で、結局昼寝を3時間もしてしまうというダメ人間の生活リズムに。
だが後悔は無い。いい夏休みを取れました。また行こう。
他にも漫画エントリ書いてます
過去記事もどうぞ。
トリッカーズのオールソール(ソール交換)をしました
トリッカーズのオールソールを決意する
購入してから7年くらいが経ち、トリッカーズのオールソールを決意しました。以前にも修理はしたことがあって、その時はヒールリフトとつま先の修理でした。こちらに詳しく書いてあります。
この時修理したお店で「ソールに穴が開く寸前ぐらいが交換時期ですね。」と言われていて、しばらく履いていましたが、ソールの穴より先に、内側のかかとに穴が開いてしまいました。こんな感じ。
ついでにソールも触ったけど、ちょっとペコペコしてた。「お?これは交換時期なんじゃね?」ってことで、交換を決意しましたよ。
靴の修理屋さんを探す
僕、靴の修理屋さんが書いてるブログが好きで、結構な数をRSSリーダーアプリに突っ込んで購読してました。その中で、
- トリッカーズの修理事例が多そう
- 仕事が丁寧そう
- 文章にネガティブ感がない
- 店主がおそらくおしゃれ
- 電車で行ける範囲
これらの視点から、吉祥寺にある「Tonearm(トーンアーム)」に決めました。
事前に写真を送り、電話で相談し、とても丁寧にご対応いただいたので「ここだ!」とその日のうちに吉祥寺まで行きました。久しぶりです吉祥寺。クソ暑い7月末のことでした。
ダイナイトソールからビブラムのレンガソールに変更
予想通りとてもオシャレな感じの店主(偉そうですみません)とあーでもない、こーでもないとソールの種類に関して相談し、結果としてダイナイトソールから、ビブラムのレンガソールに変えることにしました。トリッカーズはこういう遊びのある色のラインが結構あるので、イメージしやすかったです。
今回の修理はこの3点。
- オールソール交換 ビブラム#2055
- かかと内側のすべり革交換
- ミッドソールの交換
これらをお願いし、お店をあとにしました。
大満足の仕上がり
んで、先日修理完了のご連絡をいただいて、今日受け取りに行ってきました。
以前に修理した修理屋さんでも感動したんですが、今回もかなり大満足です。ほんと職人さんの技に感動します。
この色いいよね。かっけー。週明け台風だからしばらく履けないけど、次に晴れたら絶対に履く。今回の修理は全部で19,440円(税込み)。気に入った靴を買って、くたびれてきたら修理する。履きつぶすのは簡単だけど、僕は丁寧に付き合っていくのが好きです。人付き合いもこうありたい。
吉祥寺「Tonearm(トーンアーム)」おすすめです。
親兄弟や親戚と語る過去・現在・未来
生きている時間軸で語る視点が変わる
久しぶりに親兄弟・親戚が集まった
ここ1ヶ月で弔事が続いた。7月に親戚が亡くなり、お通夜や葬式があった。また、この週末に奥さん側でも法事があり、期せずして自分側も奥さん側も親兄弟と親戚が集まる機会があり、改めて思ったことがある。それは生きている時間軸によって過去と現在と未来の視点が違う、ということだ。(まあ当たり前の話ですよ)
一番顕著に思ったのは、年寄りから見る未来というのは、すでに完結しているということだ。それは何かというと、年寄りが過去に描いた未来というのは、今の僕達そのもの、ということ。伯父さんや伯母さんと話していると、僕達が小さかった頃の話で盛り上がるんだよね。「お前が赤ん坊の頃は」「お前がこんなしっかり働いてるなんてねー」とかそういう話。
その頃に考えていた「子どもたちが大きくなる頃には、どんな世界なのか」ということが、人生の時間軸として完結している。それが描いた通りなのかどうかはわからないんだけど、今目の前に「大きくなった子どもや孫世代」がいることによって、それはすでに未来と同義なんだよね。
これを自分の視点に置き換えるとよくわかる。
親戚や従兄弟など、そういう人たちが子供を連れてくると、「この子たちが大きくなったら」の視点に自動的に置き換わる。未来は想像するものなんだ、って改めて理解できる。
そのための現在確認があって、「今仕事何やってるの?」「景気はどう?」というこれ以上無い「現在の話」が展開される。あー、これって友達とか会社とかそういうコミュニティでは起きづらい話だなー、って。自分の事を赤ん坊の頃から知ってる人たち、自分の親兄弟のことを知ってる人たち、さらにそこから増えている子どもや親戚。そういうものが集まってこそ、の話だなと。
すべての時間軸が凝縮されてる感じがした。めちゃくちゃとりとめのない話だし、なんのオチも無いんだけど、40歳っていう年齢は「身内」が集まる機会が増える年齢なんだなと気づいたよ。
車田正美の最高傑作「風魔の小次郎」を20数年ぶりに読んだ
小中学生のあこがれ「木刀」熱を最高に高めた漫画
風魔の小次郎とは?
ここ1年、僕は「風魔の小次郎」が読みたくて仕方が無かった。なぜだかはわからないけど、僕の中の懐古厨衝動と、厨二衝動がうまく重なり、ひいてはそれらの初期衝動の塊のような風魔の小次郎が出てくるのは必然だったのかもしれない。
んで、ひたすらに漫画喫茶をはしごしたんだけど全く出会えない。ついでに六三四の剣も探したんだけど、それも無い。僕の木刀熱がどんどん高まり、とうとう買うことを決意した。そもそも風魔の小次郎が電子化されてるのかも怪しいが、kindle本を探してみたら、あるね。すげーな、集英社。
全10巻をポチった。さて、昭和生まれの40歳前後のおっさんが少年だったあの時代、その頃を知らなかったら誰も知らない風魔の小次郎とはどんな漫画だったのか?
現代に生きる忍者集団風魔一族の戦士である小次郎は、戦士として戦いの日々を送っていた。学園の裏で暗躍する夜叉一族、孤高の戦士飛鳥武蔵、聖剣を独占し大地の支配を目論む華悪崇など、強大な敵たちが次々と小次郎の前に立ちはだかる。
マンガペディアより引用しました。
だいたいこんな感じの漫画ですが、もう少し詳しく魅力を伝えていきたいと思います。
風魔の小次郎10の魅力
まずは風魔の小次郎の魅力を10個に分けてみました。一つずつ追っていきましょう。
- 最強の武器「木刀」
- 制服しか存在しない世界観
- とにかく魅力的なキャラクターネーミング
- 言うだけで炸裂する必殺技
- 真っ黒で登場、真っ黒で終了
- 伝説の十聖剣とそのネーミング
- とにかく驚く飛鳥武蔵
- 素晴らしく効果的な擬音
- 「そんなばかな」「まさか」「あいつほどの」「フッ」
- シンプルで予定調和なざっくりストーリー
書いていてちょっと馬鹿にしてる感じあるけど、違うんですよ。マジで面白いんですよ、この漫画。
最強の武器「木刀」
風魔の小次郎において、登場人物のメインの武器は「木刀」です。シンプルに木刀。考えたら当たり前なんですが、木刀の殺傷能力って本当に高い。フルスイングしたらそりゃ相手の人生は終わりですよね。そういう木刀の能力をいかんなく発揮してます。僕は小学校の当時何とかして木刀を手に入れようって思ってたんですが、親が買ってくれなかったので角材を削って作ったりしてました。
データが探せなかったんだけど、木刀の国内生産高は連載中の1983年~1984年がピークだったんじゃないかな(希望的観測)。
制服しか存在しない世界観
日本各地に散らばる忍び、いきなり現れる敵、4000年以上前からともに戦う仲間、敵、すべてが制服。防御力ゼロの学ラン(中ラン、長ラン、白ラン、短ランが無いのは時代かな)をみんな着てる。なぜか?それはもちろんカッコいいからでしょう。
とにかく魅力的なキャラクターネーミング
厨二魂をくすぐる、というよりはど真ん中を突き刺すキャラクターや、その集団のネーミングセンスは車田正美の真骨頂。マジでこれはやばい。全部書き出したい気持ちを抑えて、いくつか挙げてみます。
- 夜叉八将軍(やしゃはっしょうぐん)
- 琳彪(りんぴょう)
- 華悪崇(かおす)
- 龍王院狂須(りゅうおういんくるす)
- 邪火麗(じゃっかる)
どうですか?ワクワクしかないでしょ?これは本当に一部です。正直、全キャラクターの名前が秀逸です。
言うだけで炸裂する必殺技
これは車田正美の漫画全部に共通するんですが、「叫んで殴る」「叫んで蹴る」「叫ぶ」「言う」これだけで必殺技が炸裂します。それで言いんです。何がいいって、小学生が誰でも真似できます。構えだけわかれば真似できるんです。
主人公の小次郎にも必殺技はあるんだけど、たった一回しか登場しません。聖剣戦争以降、聖剣の力が強すぎて「技名=剣の力」なんですよね。それは残念。
真っ黒で登場、真っ黒で終了
未知の敵を黒塗りにしておくのって、風魔の小次郎が最初なんじゃないかな?この表現ってすごく秀逸だと思います。時には黒いままでやられてしまうキャラもいて、子供心に「あー、顔見たかった!」って思ったものです。
伝説の十聖剣とそのネーミング
これ、これですよ。風魔の小次郎の魅力を語る上で8割くらいの重要度を占める聖剣。その10聖剣の名前を紹介していきます。マジでセンスある。
風林火山(ふうりんかざん)
正統な戦士:風魔の小次郎(ふうまのこじろう)
どんな能力?:剛力。岩とか鉄の鎖とか切れる。ドラクエでいうとバイキルト。
黄金剣(おうごんけん)
正統な戦士:飛鳥武蔵(あすかむさし)
どんな能力?:光る。本人の気力に連動する。ドラクエでいうとニフラム。
紅蓮剣(ぐれんけん)
正統な戦士:伊達総司(だてそうし)
どんな能力?:紅蓮の炎を出せる。ドラクエでいうとメラミ。
白朧剣(びゃくろうけん)
正統な戦士:死牙馬(しぐま)
どんな能力?:白い魂的なものを出す。ドラクエでいうとザラキっぽい感じ。
征嵐剣(せいらんけん)
正統な戦士:風魔の竜魔(ふうまのりょうま)
どんな能力?:大地を斬り裂き、巻き上げる。ドラクエでいうとバギマ。
幻夢氷翔剣(げんむひしょうけん)
正統な戦士:朱羅(しゅら)
どんな能力?:幻覚+冷気。実は一対一ならこれが最強なんじゃないか感ある。ドラクエでいうとモシャス。
紫煌剣(しこうけん)
正統な戦士:邪火麗
どんな能力?:まばゆく輝く。ドラクエでいうとニフラム。ときどきマホカンタ。
十字剣(じゅうじけん)
正統な戦士:雄皇(おず)
どんな能力?:大地を十字に斬り裂ける。アラレちゃんのパンチ的な能力。
雷光剣(らいこうけん)
正統な戦士:涅絽(ねろ)
どんな能力?:電撃。雷神を飛ばせる。FFでいうとラムウ。
鳳凰天舞(ほうおうてんぶ)
正統な戦士:華悪崇皇帝(かおすこうてい)
どんな能力?:もっとも雄々しく、もっとも神の力に等しい。めだかボックスにおける都城王土的な能力。
ああ、マジでたまんない。これらの剣って、全部「刃」が付いて無いんですよ。斬る前提で作られてない。なんか発したり飛ばしたり、叩いたり殴ったり。素敵すぎる。
とにかく驚く飛鳥武蔵
飛鳥武蔵はそのクールなキャラとは裏腹に、ベタに驚いているシーンが多いです。飛鳥が驚くんだから、それは大変なんだろう、っていうのを読者にインプットするので、それはそれは重要なんです。
素晴らしく効果的な擬音
みんなも見たことあるでしょ?「ゴゴゴゴゴ」って表現。これってジョジョが最初説多い気がするんだけど、僕は声を大にして言いたい。風魔の小次郎が最初だ!(メイビー)その他にも相当素敵な擬音たちが登場します。マジで天才なんじゃないかな。
竜魔と夢魔のゴゴゴゴゴ。連載当初この2人が実は兄弟で、とかそんな期待をした覚えがあります
「そんなばかな」「まさか」「あいつほどの」「フッ」
実際の生活において、こんなセリフ絶対に言わないんだよね。それをふんだんに使う世界観は、厨二魂をビンビンに揺さぶります。小学校の頃よく「フッ」って言ってた気がする。霧風の「フッ」が好き。
あと、「あいつほどの」とか「俺より」とかそういうの多いけど、当たり前のようにザコフラグです。これも風魔の小次郎が最初なんじゃないかくらい多用されてます。「まさか」とか伏線っぽく描きますが、全く回収されません。でも、それがいい。
シンプルで予定調和なざっくりストーリー
正直ね、この漫画って超大味なストーリーなんですよ。超適当だし、何にも細部が詰めらてない設定甘いっていうか無い。でもそれがいい。
- 夜叉八将軍と戦う
- 華悪崇と戦い、聖剣戦争勃発
- なんか正体のわからない敵と戦う
これだけ。成長のための修行も無いし、武器を手に入れるための苦労も無いし、目の前の敵をただただ倒していく。初期から出てるキャラだってあっけなく死ぬ。
でも、それがいい。
この漫画の良さは「圧倒的な厨二感とそれをシンプルに表現してること」なんです。理屈なくワクワクするんですよ。20数年ぶりに読んだらいろいろツッコミどころはもちろんあったけど、それらを凌駕する面白さは健在でした。
たった10巻で終わる名作なので、みんな読んでみるといいと思います。懐古厨の現場からは以上です。